大衆免中通

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【消滅した年】昭和41年(1966年)
【現在の町名】森山一丁目
【感想・雑記】大衆免は「だいじゅめ」と読みます。こりゃ難読。大衆免○○町と大衆免を冠する地名があり、それらはかつて大衆免十八町とも呼ばれておりました。由来は神宮寺の大衆(だいしゅ・僧侶のこと)の田地で、税が免除されていたことによるそうです。
ところでこれは、初披露となる電柱番号札の旧町名です。今回、この電力会社の残した旧町名を紹介するには大いなる迷走、逡巡がありました。
なぜならば、本来デンリョクといえば、どら焼きでありカタカナであるべきなのです。しかし一方、こいつはカステラ、ヨーカン、もしくはカマボコであり、カタカナなし漢字のみ、なのです。このカマボコをデンリョクとして認めるか否か、有史以来、論争が絶えず、これをデンリョクと認めるものは異端派として弾圧・迫害の対象となってきた、と学校で習ったような気がしないこともないような気がします。

さかのぼること今年3月の東京出張、業平橋駅の見納めにと、旧業平橋駅、現とうきょうスカイツリー駅を降りてブラブラみちくさしていたところ、ふと見上げた電柱に「小梅」の札が貼ってあるではありませんか。これはこの地の旧町名にちがいない!さっそく旅のお供「東京時層地図」を出して現在地を調べてみたのですが、そこは、小梅…ではなく隣町の向島中ノ郷町でした。そう、この電柱デンリョク、実はびみょーにずれてる場合があるんですよね。あとで知ったのですが、電柱番号札に書かれた町名は、電柱の路線名(というのかな?)のようなのです。喩えるならば、埼玉の東武動物公園で「東武スカイツリーライン」の文字を見つけて、ここがスカイツリーの町なのか!と思い込んでるようなものだったのでした。

というわけで、このカマボコは正統派デンリョクではないのですが、本日5月22日の大安吉日に開業する東京スカイツリーと、昭和31年という時代性と、電柱無柱化をすすめる金沢でゆくゆくは消滅してゆくであろう電柱札へのレクイエムと、102soさんのふるさと、福島ゆかりの「中通」に捧ぐ、ということで、掲載に至る決断を下したわけでございます。
なお、小梅で本物のデンリョクを発見しましたが、どら焼きの皮のみ餡なしでした。残念。。。

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小梅の電柱番号札(上)
小梅で発見した餡なしデンリョク(下)
[発見日:平成年3月4日]