浅野川上川除町

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【消滅した年】昭和41年(1966年)
【現在の町名】桜町、暁町、材木町
【感想・雑記】気がついたら夏本番、オリンピックも連日大熱戦ですが、更新状況はお寒い限り…。ちなみに、オリンピックと旧町名は切っても切れない関係にあるとかないとか。でもこれはまた別のお話しといたしましょう。

今回は梅雨の総括です。今年の梅雨、特に九州北部では大きな被害をもたらしました。被災された方々には心よりお見舞いもうしあげます。
金沢でも集中豪雨被害がありましたが九州に比べると被害はそれほど大きなものではありませんでした。水害で思い出すのは、前回オリンピック(北京五輪)のあった、平成20年(2008年)です。その年の7月28日、実に55年ぶりに浅野川が氾濫しました。瓢箪町(旧五宝町)に住むわたしの友人宅も被害を受け、その年の夏は後片付けなどの処理にほぼ全てを費やしたときいています。浅野川が氾濫すること自体はじめて見る光景だったので驚きましたが、その55年前の昭和28年(1953年)の浅野川氾濫では、浅野川大橋をのぞく全橋流失したというからさらに驚きです。應化橋、中島大橋、昌永橋、小橋、仲の橋、梅の橋、天神橋…。全部流れちゃったんですよね。。。すごいことです!

さてさて、そんな浅野川は、別名「おんな川」ともよばれています。名付け親は文豪泉鏡花という説もございます。主計町、ひがしの茶屋街や芸妓さんの優美なイメージと重なることもあって、市民には広く受け入れられる呼称ではないかと思われます。
実際に流れも穏やかな浅野川だそうですが、藩政期以来、ときおり氾濫をおこしてきました。おんなも怒ると怖いのよってかんじですね。
川の歴史は治水の歴史、治水の歴史は文明の歴史であり、また町の歴史でもあります。「浅野川上流の堤防」という言葉がそのまま町の名前になったのが、今回ご紹介の浅野川上川除町(あさのがわかみかわよけまち)です。川除とは堤防のことですね。
なお、金沢を流れるもうひとつの河川、別名「おとこ川」とも呼ばれる犀川には、上川除町、中川除町、犀川下川除町の上中下の川除が取り揃っております。このうち、中川除町は現役町名ですよ。犀川のほうも、上川除町は発見しましたが、犀川下川除町は苦戦しております。

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浅野川上川除町界隈(上)
現代の川除・小橋用水堰(下)
[参考文献]いいね金沢
[発見日:平成24年2月5日]