豊国町

　
【消滅した年】昭和41年(1966年)
【現在の町名】東山一丁目
【感想・雑記】働けど博多関係の仕事がなかなか楽にならざり、ぢっと手をみる日々が続いています。もうこうなったら神頼み。博多の町を再興し、太閤町割りとよばれる博多の町を築いたのは羽柴筑前守秀吉こと豊臣秀吉さまですので、その秀吉さまをお祀りする豊国神社を参拝してきました。すでにご存知かもしれませんが、全国にある豊国神社は、豊臣秀吉さまをお祀りする神社です。また、この「羽柴筑前守」の名はわれらが藩祖、前田利家公が秀吉さまより賜ったことでも知られていますね。

本日わたしが参拝した豊国神社は、卯辰山にあります。卯辰山中腹にある花菖蒲園内の階段をのぼったところにあり、卯辰神社、愛宕神社とともに3つの神社が並んで同じ場所にお祀りされています。そのため、卯辰山三社とよばれているそうです。創建は、石川県神社庁によれば、元和2年(1616年)とあるので3代藩主利常公の時代でしょうか。でも豊国神社の看板には「二代利長」が建てたと書いてあります(2014.5.26追記：利長公は慶長19年=1614年没)。どっちが正しいのやら。

豊国神社は、豊国神社の看板によれば利家公の遺志を継いで建てた、とのことですが、3代利常公といえば、奥さん(珠姫)のおじいちゃんが徳川家康、という間柄で、いろいろややこしい立場であることは以前にも述べたとおりです。そんな関係だったので、観音山(観音院のことでしょうか？)に卯辰山王社と称してひそかにお祀りしていたのだそうです。明治時代に入って、徳川の世も終わり、堂々と「豊国神社」と名のることができるようになると改称して、途中転々としながら明治40年(1907年)に現在の地に移ってきました。そんな豊国神社にちなんだ町名が今回ご紹介する「豊国町(とよくにまち)」です。 明治元年(1868年)の命名で、それまでは「観音山下町」とよばれていたそうです。

今回ご紹介の写真ですが、拡大必須です(写真をクリックしてください)。この案内板の現在位置のあたりに「豊国町(Toyokuni machi)」と書かれているのが見えるでしょうか？でも、見てお分かりのとおり、これは現代に作られた案内板です。「なーんだ。『じつは現役町名でした』のパターンかよ」と思われた方！ブブーッはずれ。「豊国町」は、昭和41年9月1日に全町域が「東山一丁目」となってたしかに消滅しています。ですので、なぜ現代の市内案内図に「豊国町」がまるで現役町名であるかのように載っているのか、全くの謎です。ちなみに某有名検索サイトの地図サービスでも「豊国町」は、現役町名として表示されます。以前に「豊国町」のすぐそばにある「観音町三丁目」を行政サイドが見落としたがために、現代に生き残ることになったとお話ししました。しかし、この「豊国町」はすでに消滅しています。行政サイドや検索サイトの見落としにより、死んだのに死にきれない不成仏の霊になっているのでは、との思いで、今回ズルを承知でご紹介することといたしました。これをご覧になった関係者の方がいらっしゃれば、どうか「豊国町」を成仏させてあげてください。(2014.5.26追記：もしくは本気で生き返らせてください！)
なーんて、えらそうなことを言っていますが、単にその当時の豊国町の遺産物が発見できなかっただけです。スミマセン。

と、ここで、話は180度変わりまして、卯辰山といえば、ちょうどこの週末(5/24〜25)、相撲の甲子園といわれる全国高校相撲金沢大会が開催されていました。念願かなって、はじめて見にいきましたが・・・もう相撲の応援ではありませんね。あれは野球です野球。チアリーダーも目にまぶしい感じでした。そんでもって今年の団体戦は、石川県勢の金沢市立工業高等学校が優勝を果たしました！おめでとうございます。
本日千秋楽の大相撲夏場所、金沢学院東高OBの遠藤関は惜しくも負け越しましたが、ここ卯辰山の地では、未来の遠藤たちがたくさん青春をほとばしらせていましたよ！
また今場所、優勝校である金沢市立工業高校OBの元十両丹蔵が引退を表明しました。ケガに泣かされた土俵人生でした。非常に残念ですが、第二の人生がより充実したものになることを祈念して、ひさびさの更新を締めたいと思います。ではまた。

　
　
　
豊国神社(上)
有志がたてた看板(ここは旧豊國町、左 旧御歩町)(中)
全国高校相撲金沢大会(下)
［参考文献：石川県神社庁ホームページ、豊国神社の看板など］
［発見日：平成26年5月25日］