愛宕四番丁

f:id:cho0808:20120527175053j:plain:h300:left【消滅した年】昭和41年(1966年)
【現在の町名】東山一丁目
みなさま。金沢市内、とくに東山界隈のお宅を注意してみたことがあるでしょうか?金沢のお宅の軒先には、よくトウモロコシが吊るされているのをみかけます。これは、毎年旧暦の7月9日にあたる日に、旧観音町三丁目にある観音院で開催される「四万六千日(しまんろくせんにち)」とよばれるご縁日で手に入れることができる魔除けのトウモロコシなのです。今年は、ちょうど先週8月18日の日曜日が旧暦の7月9日でしたので、ふらっと出かけて、魔除けのトウモロコシをいただいてきました。

「四万六千日」は観音さまの縁日で、この日にお参りすると、四万六千日分(126年分!)の功徳があるといわれているそうです。ちなみに、東京・浅草寺で、新暦の7月9日(〜10日)にほおづき市が開催されていますが、このほおづき市も、じつは「四万六千日」のご縁日なのです。
浅草寺の四万六千日は、もともと芝・愛宕神社の縁日としてはじまったのだそうです。愛宕神社が、観音さまの功徳日にならって四万六千日と称していたのが、そのうち本家本元は浅草寺とされるようになり、愛宕神社をしのいで盛大になったとのことでした。東京でもかつては雷除けのトウモロコシだったのですが、いつのまにかほおづきに変わっていったようです。それにしても、神社の縁日に観音さまの功徳日というのもおかしな感じがしますが、細かい点にこだわらないあたりが江戸時代っぽいというかんじです。
そして、偶然かどうかよくわかりませんが、金沢の四万六千日の開催される観音町のお隣り町は、愛宕神社に由来する「愛宕」の町です。ということですので、今回ご紹介するのは愛宕の町とさせていただきます。すでに観音町は一丁目から三丁目まで全てご紹介済みなので。。。なお、愛宕の町も愛宕二番丁はご紹介済みですが、今回のご紹介は、愛宕四番丁です。金沢の一大観光地、ひがし茶屋街をうろうろ、お土産屋の並ぶ界隈をふらっとめぐったあたりで発見できました。
愛宕の町名はもちろん愛宕神社(卯辰愛宕社)が由来です。卯辰愛宕社はかつて、子来町にある魔利支天「宝泉寺」のお隣り、料亭「山の尾」さんのあたりにありましたが明治6年(1873年)に豊国神社と合祀されて現在はありません。今回いろいろと調べてみましたが、卯辰愛宕社と四万六千日との関連は見つけられませんでした。。。

ところで、「四万六千日」といえばなんといっても金沢の町じゅうで見られる張り紙ですよね。金沢にお住まいの方なら必ず見たことがあるといっても過言ではない張り紙ではないでしょうか?夏の訪れを告げる「四万六千日」の張り紙がはがされると、少しずつ秋の訪れを感じるような気がします。。。

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軒先に吊るされたトウモロコシ(上)
四万六千日の日の観音町通り(五色の旗)(中)
夏の金沢の風景「四万六千日」の張り紙(下)
[参考文献:浅草寺ホームページなど]
[発見日:平成24年5月27日]